「大人かわいい」をテーマに、30〜40代の女性から支持を集めるアパレルブランドMyu(株式会社Mchic)。2024年10月にSHOPLINEで自社ECサイトをリニューアルオープンして以来、ライブコマース、LINEオープンチャット、会員ランク制度を組み合わせて、ファンとの関係を深めてきました。
導入2年目には、サイトの訪問者数が前年より微減したにもかかわらず、売上は前年同期比で約26%増加。売上の約8割をリピーターが占める、ファンに支えられた自社ECへと成長しています。本記事では、代表取締役の岩科茜さんへのインタビューと、SHOPLINEの管理画面から見た約2年間のデータをもとに、Myuの取り組みを紹介します。
まずは、SHOPLINE導入後の主な数字をまとめます。比較期間は、導入1年目(2024年11月〜2025年8月)と導入2年目(2025年11月〜2026年8月)の同じ10か月間です。
集客を大幅に増やしたわけではない。ファンが繰り返し商品を手に取る仕組みを整えたことで、着実に売上を伸ばしてきた。数字から見えてくるMyuの成長は、まさにこの一言に集約されます。ここからは、その成長を支えたブランドの歩みと、具体的にどのような取り組みを進めてきたのかを見ていきます。
Myuは、岩科さんが子育て中のママだった頃の経験から生まれたブランドです。
「主婦の方って、すごく閉鎖された世界にいると思います。その中で『誰かの役に立ちたい』という想いから、もともとアパレルにいたこともあり、アメブロを始めました。最初は、自分のライフスタイルや日々のコーディネートを発信していました」
ブログを通じて少しずつ共感してくれるファンが増え、2011年にMyuを正式に立ち上げました。
岩科さんが今も大切にしているのは、Myuを「自分が立ち上げたブランド」と捉えるのではなく、「ファンの皆さんと一緒につくり上げていくブランド」と考えること。この姿勢は、ブランドの成長を支えてきただけでなく、後に展開するライブコマースや会員制度にもつながっています。

ブランドの核にあるのは、「大人かわいい」スタイルを手の届く価格で届けること。フリルやパール、リボンといった甘さのあるディテールを、30〜40代の女性が日常で着やすいデザインに落とし込み、プチプラで提供しています。
「フリルやパール、リボンといったデザインを取り入れつつ、プチプラで主婦でも楽しめるファッションを届けたいと思っております」
毎日の家事や育児の合間にも、少しだけ気分が上がる服を着たい。そんな主婦層の気持ちに寄り添った商品づくりが、長く支持されている理由のひとつです。
岩科さんは、自社ECを立ち上げた頃を振り返り、「アメブロのときから、すでにエンターテインメント性を発信していたと思います」と話します。コーディネートを見せ、読者とやり取りしながら服の楽しさを伝える。この発信スタイルは、ECサイトやライブ配信へと形を変えながら、今もMyuの販売の中心にあります。
ECに大きな可能性を感じた岩科さんは、ブランド創立から約3年後に自社サイトを立ち上げました。
Myuの売上は当初、楽天やZOZOTOWNといった大手モールが中心でした。モールは多くのお客様に見つけてもらえる一方で、岩科さんは次のような課題を感じていたといいます。
「ただモール経由で買われるだけでは、本当のファンがいないと感じていました」
モールでは、手数料の変更や規約の改定など、ブランド側でコントロールできない部分が少なくありません。ページのデザインや見せ方にも制約があり、ブランドの世界観を十分に伝えることが難しい場面もありました。岩科さんは「モールに依存するのは危険な時代だと思っています」と話し、自社サイトに力を入れることを決めました。
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とはいえ、自社サイトの立ち上げは簡単な決断ではありませんでした。
「自社サイトを立ち上げる際は、ファンがどのくらい本当にブランドを支持してくれるのか、不安を抱えていました」
結果として、自社サイトはファンの支持を得て大きく成長し、今ではブランドのメインプラットフォームになっています。

Myuにとって、モールと自社ECはどちらか一方を選ぶものではありません。モールは、まだMyuを知らないお客様と出会う場所。自社ECは、ブランドを好きになってくれたお客様と長くつながる場所です。
自社ECでは、商品ページの見せ方、ライブ配信、会員ごとの特典まで、ブランドの考え方に合わせて自由に設計できます。お客様の購入履歴もブランド自身のデータとして蓄積されるため、次の施策につなげやすくなります。
自社ECの基盤としてSHOPLINEを選んだ理由について、岩科さんはこう話します。
「SHOPLINEのライブコマース、アフィリエイト機能をはじめ、ECにおける新たな可能性にワクワクして、SHOPLINEを導入させていただきました。ライブコマースはお客様との距離を縮め、エンターテインメント性を高めるツールとして非常に有効です」
ブログ時代から大切にしてきた「お客様との近さ」と「楽しさ」を、ECの仕組みの中で実現できる。この点が、プラットフォーム選びの決め手になりました。
もうひとつの理由は、運営のしやすさとサポート体制です。
「うちは女性が多い会社なので、ECに詳しくなくてつまずいてしまうケースもよくありました。SHOPLINEさんが手厚くサポートしてくださるのが、本当にありがたかったと思います」
専門のエンジニアがいなくても、管理画面から商品登録やキャンペーン設定、ライブ配信の準備まで進められること。困ったときに相談できる相手がいること。この2つが、少人数のチームで自社ECを運営するうえで大きな支えになっています。
岩科さんがライブコマースの必要性を強く感じたのは、韓国出張がきっかけでした。
「海外の人がその場でライブ配信で商品を売っているのを見て、日本にもそんな機能があればと思っていました」
配信者が商品を紹介し、視聴者がその場で質問して購入まで進む。その光景に、ブログで読者とやり取りしてきたMyuのスタイルと重なるものを感じたといいます。
Myuのライブ配信で何より大切にしているのは、視聴者とのコミュニケーションです。商品をリアルタイムで紹介するだけでなく、視聴者からの質問や感想にその場で答え、会話そのものを楽しむ。岩科さんは、友達とおしゃべりしているような温かい雰囲気を目指しているといいます。
サイズ感や着回しの方法、素材の質感など、写真や文章では伝わりにくい情報も、ライブなら実際に着て見せながら説明できます。お客様は疑問を解消したうえで購入できるため、「思っていたのと違った」という不安も減らせます。
SHOPLINEのライブ配信機能を使った初めての配信は、2024年11月29日に行われました。配信中のコメントは500件を超え、そのうち約半数が購入希望を示すキーワードコメントでした。配信当日の公式サイトの注文数は、11月の平均的な1日の約5倍に達しました。配信経由の注文の客単価も、通常より約3割高い結果になっています。
ライブ限定の商品や特典付きのキャンペーンも好評で、配信のたびに新しいファンが増えるきっかけになっています。この結果を受けて、ライブコマースはMyuの主要な販売施策のひとつになりました。
データを見ると、Myuのサイト訪問者の約98%がスマートフォンからアクセスしています。購入率もスマートフォンのほうが高く、パソコンの約1.6%に対し、スマートフォンは約2.6%でした。
ライブ配信をスマートフォンで見て、そのまま同じ画面で購入する。家事や育児の合間に服を選ぶ主婦層の生活に合った購入の流れが、数字にも表れています。
数字の変化を支えているのは、サイトの外でのファンとの関わり方です。Myuは、Instagram、ライブ配信、LINEオープンチャットを組み合わせ、お客様と日常的につながる仕組みをつくってきました。
Myuの発信の中心は、約5.4万人のフォロワーを持つInstagramです。アメブロ時代と同じように、コーディネートや新作の着こなしを発信し、ブランドの世界観に共感するファンを増やしてきました。最近はTikTokにも活動の場を広げ、新しいお客様との出会いも生まれています。
2025年8月からは、LINEのオープンチャットを活用しています。Instagramから案内してファンに参加してもらう、Myuのファンコミュニティです。
オープンチャットで発信しているのは、次のような情報です。
特徴的なのは、オープンチャットを特定の販売チャネルへの誘導だけに使っていないことです。どのチャネルでどんなイベントがあるかをまとめて知らせ、参加者はそれぞれ使いやすい場所を選んで購入できます。お客様にとっては「Myuの情報がいちばん早く届く場所」になり、ブランドにとってはどのチャネルにもお客様を案内できる接点になっています。
オープンチャットでは、参加者限定の公式サイト向けクーポンを月に2〜4回ほど配布しています。有効期間は数日間と短く設定し、「今のうちに買おう」と思えるタイミングをつくっています。
2026年5月から8月の公式サイトの注文を見ると、クーポンの有効期間中は1日あたりの注文数が普段の約1.5倍になりました。一方で客単価はほとんど変わっておらず、クーポンが安い商品だけを買うきっかけではなく、欲しかった商品を買う後押しになっていることがうかがえます。
オープンチャットを開設した以降、公式サイトの売上は回復に向かい、同年10月には当時の過去最高を更新しました。同じ時期からリピーターの購入も増えており、ファンとの接点を増やしたことが、継続的な購入につながっていると考えられます。
Instagramでブランドを知り、ライブ配信で商品の魅力に触れ、オープンチャットで最新情報と特典を受け取って購入する。Myuでは、こうした流れが自然にできあがっています。SNSで生まれた関係を、コミュニティと自社ECで深めていく。これが、リピーターが売上の約8割を占める理由のひとつです。
リニューアルにあたってMyuが大切にしたのは、これまでのお客様を新しいサイトにスムーズに迎え入れることでした。オープン前に旧サイトの会員情報を新サイトへ移行し、お客様には新サイトでのアカウント有効化を呼びかけました。
オープン前の時点で新サイトの会員になっていたお客様は約900人。その後ほぼ全員がログインし、約7割が購入しています。この約900人の購入が、導入以来の売上の約4割を占めています。サイトを移してもファンとの関係を途切れさせなかったことが、リニューアル後の売上の土台になりました。
2024年10月オープン後、最初の3日間で約480件の注文が入りました。立ち上げ直後からこれだけの注文が集まったのは、ブログ時代から積み重ねてきたファンとの関係があったからこそです。
アパレルECでは、夏物セールが一段落する8月前後に売上が落ち込みやすい傾向があります。Myuも導入1年目の夏は売上が大きく下がりましたが、2年目の2026年8月の売上は前年同月の約2.2倍になりました。
伸びの中身を見ると、1人あたりの購入回数はほぼ変わらず、購入したお客様の数が前年の約2.2倍に増えていました。その多くは、過去に購入したことのあるお客様です。一部のお得意様がまとめ買いをしたのではなく、普段は購入が途絶えがちな時期に、多くのファンが戻ってきたことになります。
この夏、前年と大きく違ったのは、2025年8月に始めたオープンチャットがあったことです。Myuは閑散期にも、参加者限定のクーポンを数日間だけ配布し、ファンが買い物をするきっかけを定期的につくりました。新しいお客様を集めるために広告を増やすのではなく、すでにつながっているファンに声をかける。それが、季節に左右されにくい売上につながりました。
Myuの成長を最もよく表しているのが、リピーターの存在です。導入以来の累計では、売上の約75%がリピーターによるものでした。この割合は年々高まり、導入2年目の比較期間には約82%に達しています。
導入1年目と2年目の同じ10か月間を比べると、リピーターによる売上は約51%、注文数は約32%増えました。1回あたりの購入金額(客単価)も約15%上がっています。リピーターが「より頻繁に、より多く」購入するようになったことが、売上全体を押し上げました。
導入後に一度でも購入したお客様のうち、約48%が2回以上購入しています。累計で20回以上購入したお客様は160人を超え、中には約2年間で90回購入した常連のお客様もいます。
売上の分布を見ると、購入金額の多い上位20%のお客様が売上全体の約72%を占めています。多くの新規客を集めるよりも、ブランドを深く愛してくれるファンとの関係を大切にする。Myuの売上構成は、「ファンと一緒にブランドを作る」という岩科さんの考え方をそのまま映しています。
岩科さんは、自社ECサイトの意味をこう話します。
「本当のファンの皆さんが集まってくださる場所だと思っています。でも、そのファンもやっぱり離れていくことがあると思うんです。だからこそ、ファンとの絆を育む場として自社ECサイトの重要性を感じています」
リピーターを支える仕組みのひとつが、SHOPLINEの会員ランク制度です。Myuでは、会員を3つのランクに分け、ランクごとに特典を用意しています。
ランクが毎月更新されるため、お客様にとっては「今月もランクを維持したい」という楽しみが生まれ、ブランドにとっては継続的な購入のきっかけになります。
ランクが上がるほど割引率が高くなる特典は、「特別なお客様として大切にされている」という実感につながります。ライブ配信で生まれたファンとの距離の近さを、会員ランク制度が日々の購入の中で支えている形です。
Myuは現在、ライブコマースを中心とした新しいショッピング体験の確立を目指しています。日本でいち早くライブコマースを取り入れたブランドとして、その可能性を活かし、さらに多くのお客様と一緒にブランドを成長させていきたいと考えています。
将来的には、海外展開も視野に入れています。現在、サイト訪問者のほとんどは日本国内からですが、海外ではライブコマース市場が急速に拡大しています。Myuはその流れを捉え、日本発のブランドとして新たなステージに進むことを目指しています。
Myuの約2年間の歩みから見えてくるのは、自社ECの成長は集客の量だけで決まるわけではない、ということです。Instagramとライブ配信でお客様との距離を縮め、オープンチャットで日常的な接点を持ち、会員ランク制度で購入を続ける理由をつくる。その結果、導入2年目には訪問者数が微減する中でも売上が約26%伸び、売上の約8割をリピーターが占めるまでになりました。
ブログで読者と交流していた頃から、Myuが大切にしてきたのはファンとの関係です。SHOPLINEは、その関係を自社ECの仕組みとして形にし、数字で確かめながら育てていくための基盤として活用されています。
ファンとのつながりを大切にした自社ECづくりに関心のある方は、ぜひSHOPLINEにご相談ください。
大人カワイイで人気のアパレルブランド「Myu」は、楽天市場やZOZOTOWNといった大手モールECを中心に事業を拡大してきました。お客様にもっと楽しく、満足できるお買い物体験を届けたいという想いから、SHOPLINEを使って自社ECサイトを運営頂いています。 特に、ライブ販売、アフィリエイトプログラム、メンバーシステムなどの機能を使って、今までにない顧客体験の創造に挑戦されています。
今回のインタビューでは、「Myu」オーナー(株式会社Mchic 代表取締役)の岩科茜氏に、SHOPLINEを選んだ理由と、その決定がビジネスに与えた影響についてお聞きしました。SHOPLINEがどのようにして「Myu」の成功に貢献したのか、ぜひご覧ください。
1983年静岡生まれ。高校中退後、東京と静岡でアパレル店員および店長を経験し、23歳で結婚を機に退職。2児の子育て中だった27歳のときに個人事業主として起業し、アパレルの製造・通販事業を始める。2013年に楽天へ出店し、2015年に株式会社Mchicを設立して代表取締役に就任。楽天では、SHOP OF THE MONTH(2023年3月)都道府県賞、SHOP OF THE AREA エリア賞(2020年、2019年)を受賞。楽天EXPOなど多くのイベントに登壇。著書に『欲ばりなほど ぜんぶ叶う——2億円稼いでわかった、人生を最高に輝かせる方法』(ダイヤモンド社)。
ライブコマースが注目されるのは、主に以下のような理由からです。ライブコマースが注目されるのは、主に以下のような理由からです。ライブコマースが注目されるのは、主に以下のような理由からです。
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