越境ECプラットフォーム比較|地域別の出店条件と費用

越境ECプラットフォーム比較|地域別の出店条件と費用

日本の事業者が直接出店できる越境ECプラットフォームを地域別に比較。出店条件・日本からの直送可否・費用・売上金の受取方法まで公式情報をもとに一覧にまとめました。

越境ECを始めると決めたら、次に考えるのは「どこで売るか」だ。

ここは意外と選択肢が多い。個人事業主でも申し込めるモールがある一方、現地に代理人がいなければ出店できないモールもある。費用もさまざまで、月額無料で始められるサービスもあれば、出店前に保証金や年会費が必要なサービスもある。

そのため、単純にランキング上位のサービスを選べばいいわけではない。まずは自社の条件に合うかを確認し、出店できないサービスや必要以上にコストがかかるサービスを候補から外していく。そのほうが、結果的に効率よく絞り込める。

なお、本記事に掲載している各社の出店条件・費用・機能は、2026年9月時点の各社公式ページをもとにしている。出店条件や料金・料率は変更される場合があるため、実際に申し込む際は、各社の最新情報を必ず確認してほしい。


越境ECプラットフォームは、条件に合わない候補から外していく

越境ECの販売チャネルは、大きく「海外モール」と「自社ECサイト」の2つに分けられる。AmazonやeBay、Shopee、Coupangなどの海外モールに出店する方法と、自社ECサイトで直接販売する方法だ。

自社ECサイトの場合も、現在の国内向けサイトを海外対応させるのか、進出先の市場に合わせて現地向けサイトを新たに構築するのかによって、必要な準備は変わってくる。

なお、モールと自社ECサイトは、必ずしもどちらか一方を選ぶ必要はない。実際、ジェトロの越境EC出品販売プログラムで米国・英国Amazonに取り組む事業者のうち、34%が自社ECサイトも運営している(ジェトロ、2026年8月、対象971社・複数回答)。

ただし、海外モールでは、購入者情報を自社のマーケティングなどに自由に利用できるわけではない。規約上、取得した情報は原則として、その取引に必要な目的の範囲で利用する必要がある(eBay)。

顧客との関係を自社で蓄積していきたいなら、自社ECサイトも選択肢になる。

日本の個人事業主のまま始めたい場合は、まず各モールの出店資格を確認したい。法人格や事業者登録番号を求められるモールや、現地に代理人を置く必要があるモールは、この段階で候補から外れる。

スモールスタートを考えるなら、初期費用と固定費も確認しておきたい。月額料金だけでなく、開店前に支払う保証金や年会費の有無もチェックする。食品や化粧品を扱う場合は、商品カテゴリーごとの出品制限にも注意が必要だ。

一方、自社ECサイトにはモールのような出店審査はない。ただし、販売先の国・地域の法令や、日本から発送できる商品かどうかは、自社で確認する必要がある。

比較表は、自社ECサイトとモール、それぞれの節の末尾に掲載している。両者をできるだけ同じ項目で比較しているので、まず「自社にとって外せない条件」を決め、その項目を縦に見ていくと候補を絞りやすい。

出店までの準備は越境ECの始め方、全体像は越境ECとは・完全ガイドで詳しく解説している。


日本で開く自社ECサイト——越境EC対応は「標準機能か、アプリか、代行か」で分かれる

国内向けに使っているカートを、そのまま海外販売にも利用できるのか。確認する際は、月額料金だけでなく、越境ECに必要な機能がどのように提供されているかを見ることが重要だ。

必要な機能が標準搭載されているのか、アプリなどで追加するのか、それとも外部の代行会社に任せるのかによって、店舗側の作業負担は変わる。さらに、越境ECにかかる費用を店舗側と買い手側のどちらが負担するのかも変わってくる。

代行を使うか、自社で対応するか——費用を負担する人が変わる

一つは、いまのサイトに越境EC代行を組み合わせる方法だ。WorldShopping BIZでは、店舗側が初期費用33,000円と月額5,500円(税込)を負担し、売上手数料はかからない。海外の買い手は、商品代金と国内送料の10%にあたる購入代行手数料、国内送料と海外送料の実費、それに定額500円の海外配送手数料を支払う。Buyee Connectは、店舗側の初期費用・月額・販売手数料がいずれも0円。買い手には1注文あたり500円の定額手数料がかかる。同じ代行サービスでも、買い手の負担が定率か定額かで、購入時の見え方は変わる。

店舗側は、通常の国内発送と同じ要領で、商品を国内の指定倉庫へ送る。海外向けの送り状や通関書類、多言語での問い合わせ、返品・返金は代行会社が対応する。カートサービス自体が、こうした代行機能を越境ECメニューに組み込んでいる例もある。

もう一つは、自社サイトを多言語・多通貨に対応させ、海外からの注文を直接受ける方法だ。この場合、決済手数料は店舗側が負担する。Shopifyでは海外発行カードの決済手数料が3.9%(国内カードは3.55%)だ。SHOPLINEでは、プラン別のサービス利用料2.0/1.5/1.0%とは別に、利用する決済サービスごとの決済手数料がかかる。いずれも、買い手に代行手数料が加算されることはない。

「越境EC対応あり」の中身——標準機能・アプリ・代行サービス連携で、埋まる欄が変わる

「多言語対応」と書かれているだけでは、実際に海外へ販売できるかは分からない。多言語・多通貨が標準機能に含まれるサービスもあれば、翻訳アプリを追加するサービス、購入代行のカートへ引き継ぐサービスもある。下表の「越境EC対応」欄では、この違いを分けて記載した。特に注意したいのは、外国語や外貨で表示できることと、海外へ販売できることは別だという点だ。BASEの英語・外貨対応Appは表示を切り替える機能で、海外向けの販売や送料設定には対応していない。事業者が入力した商品説明も自動では英訳されない。

海外発行カードの可否も確認しておく必要がある。自社で決済を受けるサービスでは、海外カードだけ手数料率が異なる場合や、そもそも利用できない場合がある。代行サービス連携型では代行会社が決済画面を用意するため、確認するのはカートではなく代行会社の決済手段だ。

どこまでローカライズできるか——現地向けの機能を、あとから足せるか

ローカライズが問題になるのは、台湾のコンビニ受取、韓国のスマホ決済、中国のAlipayなど、その市場で必要な機能が標準機能にも公式アプリにもないときだ。管理画面でテンプレートやパーツを選ぶだけのサービスでは、用意されていない機能を追加できない。STORESも、公式の機能比較表でHTML/CSSは編集できないと案内している(2026年9月時点)。

コードを編集できるサービスなら、外部の決済代行や配送サービスを接続して、現地向けの機能を足せる。ShopifyはテンプレートをLiquidで編集し、アプリストアから機能を追加する。SHOPLINEも、テーマ言語Slineで管理画面からテーマのHTML・CSS・JSONを直接編集でき、開発者向けAPIとアプリストアを持つ。外部の決済代行や倉庫・配送事業者はアプリとして接続する仕組みで、たとえばKOMOJUはSHOPLINEとの連携を公式に案内している。カラーミーショップも独自のテンプレート言語を編集できる。WooCommerceやEC-CUBEのようにソースコードを自社で管理するサービスは自由度が高いが、開発も自社の責任になる。

いま使っているカートで必要な機能を追加できるのか。それとも、別のカートへ移る必要があるのか。後述の市場別比較表では、その判断材料を市場ごとに整理している。

機能を足すか、乗り換えるか——海外売上と移行負担で考える

いまのサイトに越境ECの機能を追加する場合と、カート自体を乗り換える場合では、費用の見方が異なる。

現在のカートに機能を追加する場合は、いまの月額料金に越境ECの利用料や代行費用が加わる。前節で紹介したWorldShopping BIZなら、店舗側が新たに負担するのは月額5,500円(税込)で、手数料は買い手側が負担する。MakeShopの越境EC機能は月額無料だが、海外注文の決済金額に対して店舗側に5%の手数料がかかる。

一方、カートを乗り換える場合は、新しいカートの月額料金が現在の料金に置き換わる。そのうえで、海外販売によって追加で発生する費用は、主に決済手数料の差になる。たとえばShopifyでは、海外発行カードの手数料3.9%と国内カードの3.55%との差が、海外販売時の追加負担になる。SHOPLINEは、国内・海外を問わず同じ料率が適用される。

比較する際は、「現在のカートに代行サービスを追加した場合の費用」と「カートを乗り換えた場合に増減する月額料金・決済手数料」を並べて考えると分かりやすい。

海外売上がまだ小さい段階では、売れたときだけ費用が発生する代行型のほうが導入しやすい。一方で、海外売上が伸びると、売上に比例して手数料も増えていく。たとえば店舗側が5%を負担する代行サービスなら、「海外売上 × 5%」で手数料を算出し、乗り換え後の月額料金との差額と比較すると、おおよその費用感をつかめる。

もう一つ見落とせないのが移行の負担だ。商品・顧客・受注データはCSVで移せても、会員パスワードはCSVでは移行できない。会員にはパスワードの再設定を案内する必要がある。独自ドメインを自社名義で保有しているかによって、検索エンジンからの評価を引き継げるかどうかも変わる。いまのサイトに代行やアプリを追加するだけなら、こうした移行作業は発生しない。

比較表——自社ECサイト構築サービスの越境EC対応

まず「越境EC対応」欄で、標準機能・アプリ・代行のどれで海外に売る仕組みなのかを見てから、ほかの欄を横に読むと比べやすい。

※ 表は横にスクロールできます。

サービス越境EC対応対象国・地域費用配送決済言語対応サポートローカライズ・拡張性向いている事業者
Shopify標準機能(Shopify Markets)130以上の通貨月額4,850円〜(税抜)+海外発行カード3.9%—中国=Alipay・WeChat Pay/北米=Shop Pay翻訳はアプリで最大20言語—テンプレート言語(Liquid)・アプリストア・追加ストア最大9(上位プラン)市場ごとに分けて出品したい
SHOPLINE標準機能(多言語自動翻訳・多通貨換算・マーケット別のストアフロント・価格・在庫配分)150以上の通貨(現地通貨へ自動換算)月額4,840円〜(税抜)+サービス利用料2.0/1.5/1.0%(プラン別)。決済手数料は決済サービスごと—台湾=コンビニ受取・LINE Pay/中国=WeChat Pay・Alipayが申請可/北米=Apple Pay・Klarnaプラン別に2/7/10/無制限(自動翻訳)日本語テーマ言語(Sline)でテーマコード編集・API・アプリストア・決済/配送サービスをアプリで接続一つの店で複数に市場を分けて出品したい
LaunchCart標準機能(160通貨対応)160通貨——中国=銀聯・Alipay・WeChat Pay/北米=カード・PayPal——共通タグによるテンプレート編集中国向けをメインマーケットとする
Cafe24標準機能中心(海外決済・海外配送・商品情報の自動翻訳)———中国=Alipay/韓国=Gmarket・SSG.COM・Auctionとシステム連携——スマートデザインのエディタでHTML編集韓国のモールと在庫・受注をまとめたい
BASEアプリ(英語・外貨対応App)+海外販売代行「かんたん海外販売」を全店標準機能に外貨表記34か国アプリは無料/代行は店舗側5%、買い手10%(下限500円・上限3,000円)+決済2〜3%代行会社が国内倉庫から発送海外発行カードは利用不可(アプリ側)英語表記のみ・自分で入力した文章は英語表示されない日本語CSV商品管理はApp手を動かさず海外注文だけ受けたい
STORES代行サービス連携(WorldShopping BIZ)228の国・地域(代行側)EC本体は初期費用・月額0円代行会社が国内から発送—代行側が対応日本語HTML/CSS編集は不可(公式の機能比較表)国内がメイン、海外は受身型
カラーミーショップアプリ+代行の併存(ZenLink=タグ1行、追加料金なし)228の国・地域(代行側)越境部分は追加料金なし代行会社が国内から発送代行側が150種類以上の決済を提供翻訳アプリで100言語以上/代行側19言語日本語テンプレート言語を編集可能・開発者向けAPI国内の店はそのまま、海外向けの購入導線だけ足したい
MakeShop代行サービス連携(越境ECメニューとして組み込み)228の国・地域(代行側)初期費用・月額0円、海外で売れたときのみ決済金額の5%国内の指定倉庫へ送るだけ代行側が提供代行側が対応日本語CSV一括登録(上位プラン)/公式の乗換代行55,000円(税込)国内実績があり越境ECを最小工数で足したい
WooCommerce/EC-CUBEソースコードを自社側に持つ型。多言語・多通貨は拡張か追加開発で構成次第WooCommerceはプラグイン無料(決済はカード3.60%+海外発行カード2.00%+通貨換算2.00%)/EC-CUBEはGPL無料か商用ライセンス264,000円(税込・買い切り)構成次第構成次第拡張で対応—ソースコードごと自社で持つ要件が固まっていて、作り込みに人と時間を割ける

※ 各社公式ページ(2026年9月時点)にもとづく。「—」は公式ページに記載のない欄。「越境EC対応」と「ローカライズ・拡張性」はこの表だけの項目。構築サービスには出店を審査する相手がいないため、モールの表にある「出品制限」欄は置いていない(品目を制限するのは販売先の国の法令と日本側の発送制限になる)。「向いている事業者」欄は、出店資格ではなく使い方で書いた。futureshop・ecforce・Wixは、公式ページに越境向けの条件(対応国・海外配送・海外決済)が載っていないため表には入れていない。


海外モールに出店する——北米・中国・東南アジア・韓国・台湾で、引っかかる条件が違う

海外モールの出店条件は、市場によってかなり違う。北米には個人でも出店できるモールがあるが、Walmartは米国内の返品先を求める。中国では海外法人や商標、現地代理人が必要になる。東南アジアは比較的入りやすいものの、発送元に制約がある。

それでも、最初に確認する項目は三つに絞れる。

  • 売上金の受け取り方法。モール側が通貨換算と送金を担う型(Amazonは日本の銀行口座へ円のまま受け取れる)、第三者の送金業者を挟む型(EtsyとeBayはPayoneer口座が前提)、日本など韓国外の銀行口座へ直接送金する型(Coupang)の三つのパターンに分かれる。
  • 費用のかかり方。固定費を取らず売れた分の手数料だけで出店できる市場と、保証金と年会費が先に出ていく市場がある。
  • 何を出せるか。モール自体の禁止品目、販売先の国の法令、日本から発送できるかの三層で決まり、モールで許可されていても日本側で送れなければ出品は成立しない(発送側の制限は越境ECの物流ガイドにまとめてある)。

北米——個人でも出店できるが、Walmartには米国内の返品先が必要

北米では、日本の事業者であること自体が大きな壁になるわけではない。Amazonの出品用アカウントは業種として「個人」を選べるため、法人化していなくても出店できる。Walmart Marketplaceは条件が異なる。申請には「Business Tax ID(s) (SSN not accepted) or Business License Number」が必要で、個人名義は対象外だ。さらに、米国内のB2C倉庫を用意するか、Walmart Fulfillment Servicesを利用しなければならない。返品受付住所も米国本土に限られ、私書箱は使えない。米国内で返品を受けられるかどうかが、出店可否を左右する。

eBayとEtsyは、日本に在庫を置いたまま出品でき、参入時の固定費もほとんどかからない。eBayの国際配送サービスは、商品所在地が日本国内であることを利用条件としている。Etsyは広告費の仕組みに注意したい。オフサイト広告は、過去365日の売上が$10,000以上になると料率が下がる一方、利用を停止できなくなる。売上が伸びるほど、広告費を継続的に見込む必要がある。

中国——費用の前に、海外法人・海外での商標登録・中国国内の代理人の三点で候補から外れる

中国向けモールは、費用を比べる前の段階で候補から外れることが少なくない。天猫国際の出店要件は、中国本土以外で設立された法人であること、海外で商標を登録していること、海外で小売または研究開発の実績があること。出店できるのは、海外または香港・マカオ・台湾の法人に限られる。京東国際では、中国国内で連帯責任を負う現地代理人(規約上の「境内代理人」)と、香港・マカオ・台湾または海外の法人口座(米ドル決済)も必要だ。日本の会社だけですべての手続きを完結することはできない。

初期費用の発生時期も、ほかの市場とは違う。天猫国際では、カテゴリ別の保証金1万〜100万人民元と、3万または6万人民元の技術サービス費(年会費)が出店手続きに含まれる。開店後の運転資金とは別に、まとまった金額を事前に用意しなければならない。

東南アジア——出店しやすい一方、発送元には制約がある

東南アジアのモールは、出店資格と初期費用のハードルが比較的低い。Shopeeは法人番号や開業届のない個人でも申し込め、初期費用や月額使用料もかからない。Lazadaが公式に示す条件は、法人または個人事業主であることと、日本または香港から発送できることの二つだ。

ただし、発送元には制約がある。Shopeeは日本国外からの発送を認めておらず、現地倉庫へ在庫を預けるサービスも用意していない。販売量が増えたときは、別途物流の仕組みを見直す必要がある。市場の広げ方も異なる。Shopeeは7市場のうち最初に一つを選んで開店する。Lazadaは、一度登録した商品を対象国へ同時に掲載できる。

韓国——韓国法人も韓国口座も要らない。判断が要るのは在庫を預けるかどうか

韓国では、Coupangの日本セラー向け窓口が入口になる。韓国法人も韓国の銀行口座も求められず、提出書類4点は日本語の原本のままでよく、登録料もなく、審査は最大5営業日で終わる。自分で発送するなら固定費はゼロで、かかるのはカテゴリ別の販売手数料4.00〜10.90%と、配送料に対する3%の処理手数料だけだ。

次に決めるのは、在庫をどこに置くかだ。2026年8月20日に始まったCGF(Coupang Global Fulfillment)Japanでは、日本国内の指定センターへ在庫を預けると、国際輸送・通関・韓国内配送をCoupangが代行する。その分、月額サービス料に加え、商品の体積と保管日数に応じた保管料が発生する。自己発送は売れたときに費用がかかる。CGFは、売れない期間にも固定費と保管費がかかる。

台湾——公式窓口から申し込めるか、提携先を通す必要があるか

台湾では、海外事業者向けの申込窓口が公開されているかをまず確認したい。蝦皮(Shopee台湾)はShopee Japanから申し込める。販売手数料と決済手数料は合計7.0%で、商品は日本から発送する。

momo購物網は、直接申し込む仕組みではない。momoの利用規約(客戶服務條款)によると、越境ECサービスを提供するのは提携先の香港悦繁だ。海外事業者はmomoではなく、香港悦繁と出店同意書(原文「入駐同意書」)を結ぶ。手数料率・保証金・年会費は公式には公開されていない。また、momo自体の出店募集窓口へ申し込むには、台湾の事業者登録番号にあたる統一編号(統一編號)が必要になる。

Pinkoiは日本に支社があり、日本語の窓口で審査を受けられる。販売手数料は(商品価格+送料)×15%+NT$15。注意したいのは売上金が手元に入るまでの時間で、取引完了日から7日後に売上レポートへ記録され、入金は翌月20日になる。

比較表——海外モール11社の出店条件と費用

最初に右端の「向いている事業者」欄で出店資格を満たせるかを見てから、「費用」と「配送」を確認すると候補を絞りやすい。

※ 表は横にスクロールできます。

モール対象国・地域費用配送決済(買い手/売上金の受取)言語対応サポート出品制限向いている事業者
Amazon(グローバルセリング)北米ほか(アカウント統合で複数国)大口出品 月$39.99相当、販売手数料はカテゴリ別5〜45%自己発送/FBA売上金=ACCSで日本の口座へ円建てで受取(一律2.0%、他通貨は0.75〜1.50%)セラーセントラルの言語切り替えで日本語出品用アカウント内の問い合わせ窓口が日本語—個人(法人化していない事業)でも可。本人確認は通常2営業日以内
eBay世界(公式の国際配送サービスは商品の所在地が日本国内であること)初期費用ゼロ、ストア月額は0 USDの枠あり、落札手数料日本に在庫を置いたまま可売上金=Payoneer口座が前提—日本語窓口はセラーポータルにログイン後のメールのみ(9:00–18:00)使用済み化粧品・アプリケーター、中身の減った使用済み香水は不可。電池は配送側の制限個人・個人事業主・法人いずれも可
Etsy世界出品料$0.20/取引手数料6.5%(送料等を含む注文総額)/決済処理手数料6%+$0.30/通貨換算2.5%/オフサイト広告15%(売上$10,000以上は12%・オプトアウト不可)日本に在庫を置いたまま可売上金=Payoneer Payment Account必須———法人でなくても可
Walmart Marketplace米国初期・月額ゼロ、紹介手数料はカテゴリ別3〜20%米国内のB2C倉庫またはWFSが出品要件。返品受付住所は米国本土のみ・私書箱不可売上金=Payoneer・PingPong・WorldFirst・Airwallexなど第三者業者経由(有効化できるのは同時に1社)———Business Tax ID(SSN不可)またはBusiness License Numberが必須。日本法人はW-8BEN-Eで登録可
天猫国際中国保証金1万〜100万人民元(カテゴリ別)、技術サービス費(年会費)3万または6万人民元、技術サービス料率0.5〜5%—————中国本土以外の法人・海外での登録商標・海外での小売や研究開発の実績
京東国際中国保証金1,000〜40,000米ドル(カテゴリ別)、年間サービス料約1,000米ドル中国国内の返品拠点が必須法人口座(米ドル)へ—中国語での顧客対応が必須—メーカーまたは正式代理店に限定。海外または香港・マカオ・台湾で登記された法人+中国国内の代理人
Shopee(台湾では蝦皮)7マーケット(シンガポール・台湾・タイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム・ブラジル)。初回は1つ固定費なし。販売+決済手数料はマーケット別5.3〜7.0%日本からの発送のみ。現地倉庫に預ける形式はなし売上金=Payoneer経由英語対応(台湾のみ繁体字)日本語対応のスタッフが運営をサポート台湾では許可番号(核准字號)の併記が必要法人番号や開業届がない個人でも可。申請から5営業日以内に開設案内
Lazada東南アジア6か国(1度の商品登録で同時掲載)保証金・月額なし。手数料は最初90日間免除、91日目以降6〜7%日本または香港からの発送————法人または個人事業主。承認は約1週間
Coupang韓国登録料なし。カテゴリ別販売手数料4.00〜10.90%+配送料に3%の処理手数料。CGF利用時は月額サービス料+体積×日数の保管料自己発送、または日本国内の指定センターに預けるCGF Japan売上金=日本など韓国外の銀行口座へ翌月15営業日目に直接送金—提出書類は日本語の原本のまま可化粧品法により食品と誤認されうる化粧品は不可。酒類のオンライン販売も不可韓国法人・韓国口座とも不要。審査は最大5営業日
momo購物網(越境)台湾非公開(手数料率・保証金・年会費とも)海外の店舗から買い手までの配送を香港悦繁が支援決済は香港悦繁が代行———momo本体ではなく、パートナーの香港悦繁と出店同意書を締結
Pinkoi台湾ほか販売手数料(商品価格+送料)×15%+NT$15。開設保証金NT$3,000は日本ではキャンペーンにより現在徴収なし—売上金=翌月10日に集計、翌月20日に日本の銀行口座へ。台湾ドル建てで集計されるため為替換算が2回入る繁体字・簡体字・英語・日本語・タイ語日本支社・日本語の窓口—審査制

※ 各社公式ページ(2026年9月時点)にもとづく。「—」は公式ページに記載がないことを示す。「出品制限」は、各モールが公式に明記している品目のみを記載。


出店できて送れる、と、現地で買われる、は別——台湾・韓国・東南アジア・中国・北米で増える項目

ここまで確認したのは、出店できるか、日本から発送できるか、費用はいくらかという入口の条件だ。ただし、店を開けることと、現地の顧客に選ばれることは同じではない。現地モールへの出店はその国の国内販売とみなされ、海外から直送する場合も現地規制の対象になる。ジェトロも台湾向け越境ECについて、その点を明記している。ここからは、日本のECサイトをそのまま使う場合に何が不足するのか、必要な機能を標準で備えるサービスがあるのかを市場別に見ていく。申請や許認可の手続きは越境ECの始め方で解説している。

台湾——足りないのは決済手段の種類より、「+1」とコンビニ受取の流れ

台湾向けに販売するなら、コンビニ受取、LINE Payや街口支付(JKOPAY)などのスマホ決済、ライブ配信に合わせた受注への対応を確認したい。なかでも日本と大きく違うのが、注文から受け取りまでの流れだ。ライブ配信では、視聴者がコメント欄に「+1」と書くだけで注文が成立する。ネット通販利用者の3割には、ライブ配信で商品を購入した経験がある(資策会MIC、2025年4月)。コンビニ受取では、受取人が本名と身分証を提示する。ニックネームで受け付けた注文は、そのままでは受け取れない。

この三つを標準機能で持つか、外部アプリで足すかは下の表で分けてある。店頭での受け渡しや「+1」受注の進め方は台湾進出のEC現地化ガイドで扱っている。

韓国——決済は決済代行で足す。差が出るのはモールとの連携

韓国で求められるNAVER PayやKakao Payは、多くの場合、日本の決済代行を通して追加する。KOMOJUはShopify・Wix・WooCommerce・SHOPLINE・Magento・Cafe24などと連携している。ただし、Kakao Payへの対応が明記されているのはWooCommerce・Magento・ホストページ・APIで、利用するカートによってはKOMOJUの決済ページを経由する。構築サービス間で差が出やすいのは、現地モールとの連携だ。韓国発のCafe24はGmarketなどの主要モールとシステム連携しており、商品情報や受注をまとめて管理できる。

東南アジア——自社サイトに足すのは現地決済より、モールへの出品連携

東南アジアでは、現地決済を自社ECサイトへ追加するより、ShopeeやLazadaへの出品連携を用意する構築サービスが目立つ(下表)。広く使われる代金引換も、モールの仕組みを利用する。Shopeeの代金引換はフィリピンやマレーシアなど5市場で利用できるが、対象はShopeeの配送サービスを使う注文に限られる。出品者が現金を扱う必要はない。一方で、Shopeeは商品価格が高いほど受取拒否の可能性が高まると案内しており、高単価商品では代金引換を無効にする対策も挙げている。東南アジアでは、まずモールへ出品し、自社ECサイトと在庫・受注を連携する方法が現実的な入口になる。受取拒否への備えや金額上限は越境ECの物流ガイドで解説している。

中国——ICP備案(届出)が要るかどうかは、サーバーをどこに置くかで決まる

中国向けモールの条件を満たせなくても、日本の自社ECサイトで中国からの注文を受ける方法は残る。そこで確認したいのがICP備案だ。これは中国でウェブサイトを公開する際の届出で、中国本土にサーバーやCDNを置く場合に必要になる。日本でホスティングしたサイトを中国の消費者が閲覧するだけなら対象外だ。実務上は、届出より表示速度が問題になりやすい。ジェトロも中国国内から安定してアクセスできない可能性を指摘している。加えて、銀聯・Alipay・WeChat Payに対応できるかどうかも、購入率を大きく左右する。

北米——追加になるのは後払いではなく、まずデジタルウォレット

北米向けの決済で優先したいのは、後払い決済よりデジタルウォレットだ。米国のオンライン取引額では、デジタルウォレットが40%を占め、クレジットカードの32%を上回る。後払い決済(BNPL)は6%にとどまる(Worldpay「Global Payments Report 2026」、2025年実績)。下表では、Apple PayやShop Payなどを標準機能で利用できるのか、外部サービスとの接続が必要なのかを分けている。

市場 × サービスの表——一つの店で出し分けるか、市場ごとに店を分けるか

いまの店をそのまま使えるかは、カートが複数のマーケット(販売先)をどう管理する仕組みかで決まる。一つの店で市場ごとに通貨・言語・価格を切り替えられるなら、必要な機能を追加しても店を増やさずに済む。市場ごとに別の店を作るサービスでは、店数や言語数に応じて費用も増える。なお、国内サイトに海外向けの購入導線だけを追加する代行サービス連携型は、決済と配送を代行会社が担うため下表には含めていない。

※ 表は横にスクロールできます。

サービス台湾韓国東南アジア中国北米
Shopifyコンビニ受取は外部アプリ—外部アプリ経由Alipay・WeChat PayShop Payは標準機能
SHOPLINEコンビニ受取・LINE Pay・街口支付・「+1」受注・共同購入を標準機能で—Shopee・Lazadaへの出品連携WeChat Pay・Alipayが申請可Apple Pay・Google Pay・Klarna・Affirm・Cash App
Cafe24—Gmarket・SSG.COM・Auctionとシステム連携Shopee・Qoo10 SingaporeAlipay。モールは運営代行という形—
LaunchCart——Shopee銀聯・Alipay・WeChat Pay、簡体字管理画面クレジットカード・PayPal・銀行振込

※ 市場別の対応を公式ページで公開している4サービスを掲載(2026年9月時点)。「—」は公式ページに市場別の記載がないことを表す。


まとめ——見る順番は、出店資格 → 費用と配送 → 市場ごとの対応

比較表を上から順に眺めても、候補はなかなか決まらない。モールなら「向いている事業者」欄、自社ECサイトなら「越境EC対応」欄を入口にして、満たせないものを先に外す。次に「費用」と「配送」——保証金や年会費を開店前に払うのか、日本から買い手へ直接送れるのか——で、すぐに始められる候補を数社に絞る。最後に「決済」「言語対応」「サポート」「出品制限」と、進出先で追加対応が必要な項目を比べる。順番を逆にすると、時間をかけて調べた機能が、出店資格一つで無駄になりかねない。

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よくある質問(FAQ)

無料で始められる越境ECプラットフォームはありますか?

あります。Shopee、eBay、Coupang(自己発送)は初期費用も月額もかからず、売れたときの手数料だけで始められます。ただし「モールは無料」とは一般化できず、天猫国際のように保証金と年会費が出店手続きに組み込まれているモールもあります。

個人事業主でも海外モールに出店できますか?

できます。ただしモールごとに基準が違い、Shopee・Lazada・eBay・Amazonは個人事業主のまま開設できる一方、Walmart Marketplaceは事業者としての税務IDか営業許可番号が必須です。この基準が、モールの表の「向いている事業者」欄です。

最初はどの市場から始めるのがいいですか?

市場の魅力より、いま満たせる出店条件で決まります。日本から直接送れるか、現地に法人や代理人が要るかの二点で見ると、東南アジアと韓国は参入のハードルが低く、中国は海外法人と中国国内の代理人の段階で候補から外れます。

モールと自社サイト、どちらから始めるべきですか?

最初から一方に絞る必要はありません。モールで販売しながら、自社ECサイトも運営する事業者は珍しくありません。モールは集客力を利用できる一方、購入者情報の用途は規約で制限されます。顧客との関係を自社に蓄積したい場合は、自社ECサイトも並行して育てる必要があります。

自社サイトを作る場合、費用はいくらかかりますか?

月額料金は0円から4,800円台まで幅がありますが、ポイントは「越境ECにかかる費用を店舗側が負担するのか、それとも買い手側に上乗せするのか」という違いです。

自社で海外決済を受ける場合は、海外発行カードの別料率や決済手数料、プラットフォーム利用料などを店舗側が負担します。一方、代行サービス連携型は、海外で売れた場合にのみ手数料が発生します。

そのため、どちらの負担が軽いかは、乗り換えによって変わる月額料金の差額と、「海外売上 × 代行手数料」のどちらが大きいかで判断できます。

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